About me

自己紹介

人はなぜ覚えることができるのか、学ぶことができるのかといった基本的なことに興味を持ち、記憶・学習の仕組みについて興味を抱いてきました。大学において工学の道を選んでおりますが、その仕組みを解明したいとの思いはずっと持ち続けております。

 振り返ってみると自分は今まで、生物と工学の境界領域の研究に取り組んできました。大学時代の専攻は、計測工学でしたが、当時工学部ではまだ珍しかった境界領域である生体の細胞活動計測・評価に取り組み、学位を取得しました。当時の計測対象は植物/植物細胞で、NMR(核磁気共鳴)を用いた細胞レベルでのイオンの挙動解析や生体の成長を電気的に制御することで成長制御に取り組みました。NTTでは、神経伝達物質や電気計測による脳研究を中心とした生体分子との融合/複合研究に取り組み、バイオミメティックなナノバイオインターフェイスを構築することで、脳インターフェイスへとつなげる研究を行ってきました。計測用の電極には、それまでのITOベースの電極に白金黒ではなく、導電性高分子を組み合わせることで生体適合性を向上させると共に、長期電気活動計測および刺激を実現することができ、脳における神経回路の解析評価を進めました。

一方、シナプスにおける情報伝達の担い手である受容体タンパク質に着目し、高速AFM(原子間力顕微鏡)を用いた構造と機能の相関性について、海外の研究機関と積極的に共同研究を進め、生体機能(脳機能)と通信機器を融合したBMI(脳機械インターフェイス)構築を試みてきました。

東北大では、前職で取り組み始めた研究を発展させ、シルクの導電性化による生体適合性の高いフレキシブルな針状または、布状の電極をさらに高機能化し、ウェアラブル計測や電極埋込による生体機能制御に取り組むことで医療への応用を目指す研究を進めています。

研究は、これまでの生物と工学だけにとどまらず、医療領域にも広がる複合領域研究と発展しており、今後益々様々な方々の協力を得ながら生体の不思議を解き明かして行きたいと思っております。

相関図

研究が目指す領域