研究テーマ1(生物関連)

単一受容体タンパク質の構造と機能相関の解明

神経伝達物質の受容体タンパク質について、液中高速原子間力顕微鏡を利用してnm構造及びその変化の解析を進めた。 1秒間に10枚の描画が可能であることから、溶液中において受容体の構造変化をほぼリアルタイムで観察することができたPLoS Biol. 2009。リガンド応答時のATDにおけるDimer-dimer 相互作用や脂質ラフト構造を含めた微細構造変化と機能との相関性を解析することで、シナプスにおける情報受容の仕組みについて検討を進めた。これまでにP2X4受容体の他、GluRファミリー、GABA受容体、IP3受容体(東大医科研と共同)について薬物に伴う構造変化解析及び電気生理計測を行い、リガンド結合により、3量体、4量体のタンパク質がそれぞれ協調して動くことで、イオンが通る穴が形成されることをイメージとして初めて示すことができ、その開き方がCa依存的であることが構造変化の面から明らかにすることができた。

 また、英国Oxford大に設置した研究室では、AMPA型受容体の構造解析と制御、タンパク質配列制御についての共同研究を行った。

PLoS Biol.7(2009) e1000103